【沼高】総探特集1-③ SDGs岩手町ツアー(1年)
1年総探夏休み前までの取り組みを全3回でお送りしてきました総探特集1ですが、今回で最終回になります。(特濃( *´艸`)かなりの長編です)
①②では、座学の様子をお伝えしましたが、③の今回は、校舎を飛び出し、五感を使って岩手町内を体感する「SDGs岩手町ツアー」の様子をお伝えします。企画、準備は大変でしたが、実り多きツアーとなりました!
本編は、いつもの記事よりもかなり長いですが、ご一読いただければ、岩手町を巡る旅に参加したような気持になっていただけると思います!ぜひ、最後までお付き合いください。
では、行ってみよー!やってみよー!
1 鳩ノ巣圃場*
*圃場とは、農作物を栽培する畑や田んぼのこと。農業関係者ではよく使う用語です。
ツアー当日、雨(´;ω;`)。梅雨時期ですからやむなし…。と半ばあきらめムードでしたが、出発時間には雨も上がり、蒸し暑い天候となりました。日頃の行いが良いのでしょう(^^)/
1か所目は岩手町久保地区にある鳩ノ巣圃場。岩手町のブランドキャベツ「いわて春みどり」の他、数種類の野菜を生産している大規模な畑です。岩手町の主幹産業である農業の現場に伺いました。
この圃場を運営されている株式会社アンドファーム 代表取締役 三浦 正美様にお話を伺いました。
ツアーで訪れた7月17日㈬には、残念ながら「いわて春みどり」の出荷は終わっており、キャベツを見ることはできませんでしたが、キャベツの他、「輪作」(同じ作物を続けて栽培することで病気のリスクが高まる状態を予防する対策)で、長芋、トウモロコシ、ニンジン、ゴボウなどの野菜を生産されていることを伺いました。
安全でおいしい野菜を作るのに重要なのは土。岩手町も推進している畜産業との連携により、養豚場から堆肥を提供してもらい、土作りをしているとのこと。鳩ノ巣圃場の土は、十分に発酵させた良い状態の土。それを証明するのはハエがいないことだそうで、確かにハエを手で払うシーンは見かけませんでした。堆肥特有の匂いも感じませんでした。
この圃場の広さは約19ヘクタール!(東京ドーム約4個分)この広大な圃場の運営に当たっては、ドローンやGPSを使ったトラクターの自動運転等のスマート農業を推進されている他、ベトナム、フィリピン、インドネシアから13名の農業実習生を受け入れているとのこと。*ちなみに会社の経営面積は100ヘクタール!(東京ドーム約22個分)
質問をした生徒には、(株)アンドファーム様で生産されている「黒ニンニク」のプレゼントをいただきました。抗酸化作用の高い食品№2(№1は抹茶だそうです)と言われるこの黒ニンニク。道の駅石神の丘でも販売されているそうですが、生産の過程で熟成させるために50日もかかることから、”苦労(黒)ニンニク”と呼んでいるとか。
せっかくだから…と、三浦様のご厚意で、トウモロコシのお土産をと、自分たちの手でトウモロコシの収穫体験までさせていただきました。ありがとうございました!
「岩手町にはたくさんの資源がある。資源を宝に変える、そんな手本になるような仕事をしていきたい。」そう力強く語る三浦様の表情が印象に残りました。ありがとうございました!
2 十和田ブルーベリー観光農園
2か所目は鳩ノ巣圃場から車で約10分。岩手町久保地区に位置する、十和田ブルーベリー観光農園です。
この季節、岩手町内にはブルーベリー観光農園が4か所で開園されます。
岩手町の公式キャラクターの一つ「ブルベリーナ」ちゃんもブルーベリーのキャラクター。
ブルーベリー狩りを通じて味覚や触覚で岩手町を体感しつつ、農業と観光の可能性、グリーンツーリズムについて考えます。
十和田農園さんでは約800本のブルーベリーの木を栽培しているそうで、早生、中生、晩生と収穫時期を少しずつずらすことで、長くお客様に楽しんでいただけるような工夫や、摘み取りやすいように低木を維持する剪定作業など、作業内容は尽きることがないそうです。
また、岩手大学との連携で、試験栽培にも協力しているとのこと。
こちらの観光農園は、リピーターが多く、町外からの観光客も多いそうです。
大粒で甘いブルーベリーをつまみ食いしながら、沼高生も夢中でかご一杯に摘み取りました。短時間でしたが、大満足の体験となりました。リピーターになってしまうのがわかります!また行きたい(*^^*)
十和田ブルーベリー観光農園の皆様、ありがとうございました!
3 石神の丘美術館
次に訪れたのは、岩手町立石神の丘美術館。沼高と美術館は国道4号線を挟んで向かい合う位置にあります。
美術の授業や美術部の合同展など、いつもお世話になっていますが、新入生で町外出身の沼高生の中には、初めて訪れる生徒もいました。
今回のSDGs岩手町ツアーは、なかなかの弾丸ツアーでしたので、じっくり鑑賞することはかないませんでしたが、束の間の静寂とアートを楽しみました。
館内の写真は撮りそびれましたが、現在開催中の企画展はコチラから。
石神の丘美術館の皆様、ご対応ありがとうございました!
4 みんなで一緒に食べられるお弁当
多様性を認め合いながら、共に生きて行く。国や宗教、アレルギーなど、様々な背景を持つ人々が行き交い、共に暮らす世界。食にも多様性があります。
SDGs未来都市選定の地岩手町だからこそ、食の多様性についても、高校生の視点で考えて欲しい。普段は気づいていないけれど、食をきっかけに、”色々な人がいる”という想像力を持ち、他者への気遣いができる大人になってほしい。企画側の意図した部分です。
ということで、SDGs岩手町ツアーのお昼ご飯は、特注のお弁当をご用意。28品目の特定アレルゲンを使用しない特性のお弁当を、みんなで一緒にいただきました。
(注)アレルギーとは別に、用意した食事が苦手な生徒もいます。食べることも食べないことも本人の選択を尊重しました。手を付けない食事は、本人の承諾を得て、フードロスが出ないように生徒たちでシェアして美味しくいただきました。
くものうえのおみせやさん様、今回は沼高生のためのスペシャルお弁当をお引き受けくださり、ありがとうございました。
5 鴫沢の原木しいたけホダ場
午後は一方井地区鴫沢の原木しいたけのホダ場へ向かいます。道の駅石神の丘から車で10分程度の場所にあります。
閲覧注意(森のアクセサリー)
森の中で童心に返り、大自然に癒されたひと時でした。
ナラなどの広葉樹の間伐材等をホダ木として活用し、役目を果たしたホダ木はまた土に還る。資源を無駄なく循環させる原木しいたけ栽培。菌床椎茸と比べて、自然環境下で栽培される原木しいたけは、より多くのミネラルを含むそうです。
森を維持し、一本の木も無駄にしない循環システム。カーボンオフセットにもつながるしいたけ栽培の奥深さを感じました。
見学先を提供いただきました三浦様、ご案内いただきました農林課主事 三浦聖矢様、貴重な機会をありがとうございました!
6 一方井田んぼアートとドローン
次に訪れたのは、鴫沢のホダ場から車で5分程度の場所にある、田んぼアート。一方井田んぼアートは今年で8年目。図案は毎年、一方井小学校の児童が描いたデザインがもとになっています。
今年の田んぼアートも、過去のアーカイブも岩手町の公式HPからご覧になれます。町内もう一か所ある浮島田んぼアートとともに、コチラからご覧ください。
最初に訪れた鳩ノ巣圃場でも、スマート農業が行われているというお話を伺いましたが、こちらではド、一方井営農組合の皆様によるローンの実演を見せていただきます。
数種類の色づきの違う品種の植え分けによって図柄を完成させる、というなかなか大変な作業。今年は辰年ということで、岩手町公式キャラクター”たまなぼうや”とドラゴンのコラボレーションです。
ヤグラの上からドローン散布の実演を拝見しました。
ドローンのバッテリーは10分程度しか持たないそう。1回に運べる液体の量は15Lだそうです。意外に少なく感じる方も多いかもしれませんが、人海戦術で同じ広さに同量の散布をするとなると、タンクを背中に背負って歩きながらの作業となり、何時間もかかるため、この技術はかなり労働力の軽減につながっているとのことでした。
ちなみに、ドローンのお値段は、グレード高めの軽自動車を新車で買えるぐらいだそうです。
貴重な実演をしてくださいました、一方井営農組合の皆様、ありがとうございました!
この夏も、田んぼアートには県内外からもたくさんの観光客が訪れそう!農業×スマート農業×観光の一方井田んぼアートでした。
7 ハッピーヒルファーム
SDGs岩手町ツアーの最後を締めくくるのは、田んぼアートからは車で5分の場所に位置する、酪農を営む㈲ハッピーヒルファーム様です。昼下がりの強い日差しの中、広大な敷地内をご案内いただきました。
生乳は、新潟方面のメーカーに出荷するほか、東京のレストランや町内の菓子店、道の駅石神の丘でも使用されているそうです。
牛の健康管理にはAIによるデータ管理を導入。データは、牛の首に装着させたセンサーから随時集約され、スマートフォンでいつでも見られるとのこと。
耕作放棄地の有効活用として、使わなくなった畑をお借りし、牧草などの飼料の作付けを増やしていて、牧草地の面積は60ha(東京ドーム12個分)、飼料用トウモロコシ栽培面積は38ha(東京ドーム7個分)。この広大な土地の耕作には自動操舵のトラクターが使われているとのこと。
牛の堆肥を耕作地に撒く→良い土を作る→牛の飼料となる牧草やトウモロコシを栽培→牛の飼料、という循環型農業が行われていました。
ハッピーさんのアイス
㈲ハッピーヒルファーム様は、6次産業化にも取り組み、自社ブランドのカップアイス「ハッピーさんのアイス」を生産販売。お買い求めは道の駅石神の丘で。またふるさと納税の返礼品にも採用されています。施設見学の最後に涼しいお部屋で、このアイスクリームをいただきました。
広大な農地、牛舎を8名の従業員で運営していると伺い、かなり衝撃的でしたが、積極的にスマート農業を取り入れることで、やりがいが持てて、働きやすい会社作りをされているということがわかりました。
㈲ハッピーヒルファーム様の情報詳細は、コチラのリンクからご覧ください。
お忙しい中貴重な時間を沼高生のために割いていただきました、㈲ハッピーヒルファーム 代表取締役 千葉一幸様をはじめ、従業員の皆様、ありがとうございました!
終わりに(生徒の感想)
かなり盛りだくさんなツアーでしたが、沼高生も、自分の五感を使って様々なことを感じてくれたことと思います。最後に沼高生の感想からいくつかご紹介いたします。
特濃長文の記事でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!岩手町を旅した気分になれましたか?岩手町の魅力が少しでも伝わっていれば幸いです。
夏休み明けには、今回のツアーで感じたことをもとに岩手町の地域社会課題について個人探究を深めていきます。
今回のツアー実施に当たり、沼高生のために快く見学を受け入れていただきました町内事業者様をはじめ、岩手町役場みらい創造課様、ほか本ツアー実施にご協力いただきました全ての皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました\(^o^)/